素人と玄人

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落語
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8月の半ばに出たばかりの本です。3人がそれぞれにいろんな話をしています。
あんまり人に聞かれたくない内輪話も喋ってますね。

さてその中で、プロとアマチュアはどこが違うのかというテーマで語り合っているところがなかなかのものでした。
ずばりどこが違うのか。
それは「覚悟」だと言います。素人で確かに上手い人もいる。でもそれはお父さんの料理だと3人は言います。
休みの日、特別に材料を買い込んできて、さあどうだと言わんばかりに台所に向かい、時に後片付けもしない。
そこへ行くと、お母さんの料理は毎日、冷蔵庫を開けて、入っているものでこしらえちゃう。しかもおいしい。

毎日やってるということころが、全く違うというのです。だから噺家に上手いも下手もない。
なるほど、そんなもんかもしれません。
これで一生食べていこうと考えるその覚悟そのものが、素人と玄人を分ける結界なんでしょう。

かつて読んだ『権太楼の大落語論』にもそんなことが書いてありました。
アマチュアのだれがどこでどんな風に落語会をやったって、ああそうという感想しかもたないと。
俺たちの落語は、彼らと根本的に違うんだ。
アマチュアがどうだうまいだろって言ってやってる落語じゃない。
生活そのものなんだと。
覚悟が違う。
そんなことを、つい先日自殺した塚越孝とのインタビューで話してましたね。

「覚悟、覚悟ならないこともない」
これは夏目漱石著『こころ』の中で自殺したKがつぶやく名台詞です。
覚悟という言葉は、それだけ重いんだな。

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