江戸が息づく…

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落語
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江戸が息づくというタイトルがいいですね。
やっばり落語には江戸の風が吹いてなくちゃいけません。
しかしこれが難しい。
ただ江戸弁でまくしたてりゃいいってもんじゃございません。

それと落語には季節感がなくちゃね。
日本人は四季の変化とともに生きてきました。
歳時記を開いてみると、それがよくわかる。
落語もおんなじです。
正月の噺から、暮れの借金取りに追われる噺まで、どれも味わいがある。

この本のいいところは、権太楼師匠の落語にかける情熱が見えるところです。
彼は「お役立ち蘊蓄」と表現していますが、その中で師匠小さんの大きさを何度も語っています。
「初天神」に登場する金坊は、親父と仲がいい。子供の了見で、親父と仲良くやらないと後味の悪さが残る。
この指摘はまさにその通り。師匠の教えは正しい、師匠はありがたいと呟いています。

「目黒の秋刀魚」は地噺でストーリーが単純なだけに力量がないとだれる。ある意味、怖い噺だとまとめています。
これは実際、高座で演じる身としては、本当にありがたいアドバイスです。まさにその通りです。やってみるとすごく難しい。
また「鼠穴」は兄弟の愛憎をテーマにしているだけに難しいが、六代目圓生は底意地の悪さを感じさせ、本当に弟を許していたようにはみえない。と同時にサゲが地口であまりよくない噺であるとも書いています。

またもうからない(受けない)噺としては「御慶」、「野ざらし」、「湯野番」などをあげています。
特に「野ざらし」、「湯屋番」などは一人で妄想するタイプの噺です。お客の共感を得にくいという側面があると言います。
ギャグのリメイクが必要だとか。
プロはあっちにもこっちにも目を光らせています。
それだけに、ここに載っている内容は、豊かなアドバイスに満ちているのです。
初心者にはそれなりに、ゴールド免許の方にもそれなりに。
和戦両様の構えというやつですかな…。

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