蒟蒻問答

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代表的な噺の一つです。誰が作ったのでしょうか。よほど仏教に詳しい人でなければ、できなかったと思われます。
そんなことを作家の玄侑宗久さんが志の輔さんとの対談の中で語っていました。

さてここに載せた写真にはいずれも同じ文句があります。先日散歩していたら、偶然みかけたものです。
葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず。
つまりネギ、ニンニク、ニラのようなものを食べ、酒を飲んでいるものは、この門を入ってはならぬというのです。
これは禅宗の寺の門前によくあります。
先日は天台宗のお寺にもありました。

この噺はこんな文句ばかりを覚えないと、喋れません。
さて途中にいくつか寺の内部の様子を描写する言い立ても出てきます。
そちらの方はなんとかなりますが、次のポイントは禅問答です。
これもなかなかに覚えるのは面倒臭い。

法華経五字の説法は八遍に閉じ、松風の二道は松に声ありや、松また風を生むや。
有無の二道は禅家悟道にして、いずれが理なるやいずれが非なるや。
法界に魚あり、尾も無く頭もなく、中の鰭骨を保つ。この義いかに。

意味を理解するのも容易ではありません。
あちこち調べてやっとわかりました。
お暇な方はご自身で存分にどうぞ。

さてこの後がオチになるのですが、ここが最後のハイライトです。
いわゆる仕草落ちというやつで、高座を自分の目で見ていないとわからないのです。
ジェスチャーだけがたよりです。
堂々と大きく演じなければなりません。

その後の台詞がこれです。
『大和尚、ご胸中は?』とお尋ね致しましたるところ『大海の如し』とのお答え、まことに以て恐れ入ったる次第。
続いて、『十方世界は?』とお聞き致しましたるところ、『五戒で保つ』とのお答え。
何ともはや……。及ばずながら今一問と存じ、
『三尊の弥陀は?』との問いには、たちどころに『目の前を見よ』とのお答え……。
まことにもって愚僧など遠く及び申しませぬ。今一度修行して出直して参ります。御前体、なにとぞよしなに……』
と言って永平寺の坊さんは走り去っていきます。

覚えるだけならそれほどかからないかもしれません。
しかしそれらしく味わいを出すにはまだまだ時間がかかりそうです。
時々、稽古をしておかないと、忘れてしまう噺です。

 

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