2004

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臨場 横山秀夫

著者の本を読むのはこれで3作目になります。今回のものが一番感情移入できました。この作品はオムニパス小説の形をとっています。 唯一同じ登場人物は検死官の倉石という男です。ぷっきらぼうで誰にも媚びず、職務にはことの他に厳しい側面を持っています。...
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生きること演じること 神山典士 

副題に演劇人たちの人生、その光と影とあります。この本は小劇場系の俳優、演出家として知られる、古田新太、横内謙介、渡辺えり子などをはじめとして、いわゆる正統派新劇人 橋爪功、緒形拳、大竹しのぶ、市村正親までを網羅した、本当に切れ味のいい評論で...
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淳之介の背中 吉行文枝 

つい先日出版されたばかりの本です。発行元が有限会社港の人とあります。はじめて聞く名前です。 ここに描かれているのは、吉行淳之介と夫人文枝さんとの結婚生活の様子です。といっても彼は、途中から女優宮城まり子のところへ突然行ってしまいました。その...
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柳家小さん芸談 川戸貞吉 

五代目柳家小さんの芸談を集めた本です。小さんは昭和の名人と呼ばれた噺家の中で、最後まで生きて、その味わいを多くの人の記憶に刻んだ人です。 独特の風貌で落とし噺を得意としたのです。圓生の人情噺でもなく、文楽、志ん生の芸とも違う、彼独自のもので...
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アジア熱 中上紀 太田出版 

中上紀の作品を読んだのは初めてです。しかしこの人の中に宿った血を何度も感じました。 父親は中上健次です。そのことを誰よりも深く感じているのは、やはり彼女自身でしょう。この作品はアジアについて書かれたものです。 著者が自分の足で歩いたアジアの...
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日本語の… 鶴見俊輔他 

正式な本のタイトルは『日本語の新しい方向へ』というものです。 熊本子供の本の研究会20周年記念に、詩人の大岡信、谷川俊太郎、覚和歌子、評論家、鶴見俊輔などを招いて行ったシンポジウムをそのまま、収録した本です。6時間半にわたる長い催しにもかか...
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ニッポンの男たち ミュリエル・ジョリヴェ 

副題にフランス女性が聞いたホンネの話とあります。筆者は上智大学で東洋学を教えている女性です。 この本のおもしろさは、筆者が直接インタビューして、さまざまな経歴の男性から、会社、夫婦、父親、性などの話を聞いた点にあります。 とくに興味深かった...
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百の旅千の旅 五木寛之 

五木寛之の本は高校時代から読み続けています。あの頃は『ソフィアの秋』『内灘夫人』などという小説が好きでした。ほとんど、当時の著作は読み尽くしたといっていいと思います。 それだけぼくにとっては親しみのある作家です。今回もこのエッセイを読みなが...
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視聴率の戦士 伊藤愛子 

テレビの世界で働く人には以前から興味がありました。 あれだけの番組を毎日作り続けるには、よほどの潜在的能力が必要でしょう。 ぼく自身、最近はあまりテレビそのものを見ることはありません。それでも、そこで働く人間には大いに関心があります。 この...
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ルポ「まる子世代」 阿古真理 集英社 2004年2月

1964年から69年に生まれた女性たちのことを「まる子」世代と呼ぶのだそうだ。 豊かさが頂点に達した80年代、彼らは社会に飛び出し、その後バブルの崩壊が起こる。それと同時に男女雇用均等法ができ、総合職につく人の数も増えた。 しかし第一線で働...
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「リアル」だけが生き延びる 平田オリザ 

著者はワークショップで新しい演劇の手法を試み、着実に伸びてきた劇団「青年団」を主宰しています。 最近ではフランスなどでの公演も高い評価を得ています。 一言でいえば、「静かな演劇」といえるでしょう。世界をどうみているかを表現するのが、演劇であ...
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アジアの孤児でいいのか 姜尚中

著者の姜尚中さんは政治学、政治思想史の研究者として大変有名です。新聞やテレビなどのマスコミにもよく登場します。 この本はある機会に知人から勧められました。ウェイツという会社名はその時はじめて聞きました。日本の現在の問題を次々と多くの気鋭の評...
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