Book 私の墨東綺譚 安岡章太郎 いうまでもなく『墨東綺譚』は永井荷風の名作です。この本は何度読んでもその時々に違った味わいをもっています。 荷風という人間の複雑な内面を知るためにも恰好の本といえるでしょう。登場人物のお雪についてはどこかに書いた記憶があります。実際の話のよ... 2005.04.29 Book
Book 本のある自伝 辻井喬 辻井喬のことが気になって、つい自伝を読んでしまいました。このところ話題にのぼっている堤一族の兄にあたります。 父親の遺産はほぼ義母弟の手にわたりますが、彼が唯一もらったものは今とは似ても似つかない赤字決算の続く西武百貨店でした。 その彼がど... 2005.04.16 Book
Book シリコンバレーは私をどうかえたか 梅田望夫 著者は1994年からシリコンバレーに住み、IT関連の仕事をした後、ベンチャーキャピタルを設立した人です。コンサルティングの会社にも所属し、多くのコンピュータ関係の会社を見てきました。 その日常をまとめたのがこの本です。 なぜシリコンバレーな... 2005.04.13 Book
Book 人生しょせん運不運 古山高麗雄 3年前、亡くなった著者が生前最後まで書いていたのがこのエッセイです。タイトルから見てわかる通り、なんとも自然体で、ほのぼのとした味わいがあります。 内容は難しいものではありません。彼の生い立ちから、その後の浪人生活。旧制三高をたった1年で退... 2005.04.11 Book
Book 過ぎてゆく光景 辻井喬 著者の本を読むのは本当に久しぶりのことです。 辻井喬というのは、もちろんペンネームですが、彼はむしろ詩人としての評価の方が最初高かった気がします。 今、話題の堤一族、堤清二氏の別名なのです。彼は池袋にあった当時、本当の田舎デパートだった西武... 2005.03.13 Book
Book 半自伝 小田島雄志 小田島雄志さんといえば、知らない人はいないくらい有名なシェークスピア学者です。というより偉大なこの文豪の全作品をまさに現代語訳した俊秀といってもいいでしょう。 また演劇評論家としても活躍し、多くの演劇人との交友も深い人です。とにかく芝居が好... 2005.03.09 Book
Book 日本の生き方 田原総一朗 大変刺激的な本でした。 戦後、60年間日本は戦争に巻き込まれることもなく、平和を謳歌してきました。さらに人々は確実に豊かになり、自由が保障され、民主主義の国になりました。 しかしここ数年、世界は大きく揺れ動いています。時代閉塞の現象が、あち... 2005.01.25 Book
Book 代行返上 幸田真音 ぼくにとって一番苦手な分野の一つが経済です。特に株に絡む内容はなかなか理解できません。その上、年金の話が加わるともう全く理解の外ということになります。 ぼくたちのもらう年金は基礎年金、厚生年金、厚生年金基金という構造になっているのです。基礎... 2005.01.19 Book
Book 家族というリスク 山田昌広 今、大変人気のある家族社会学者です。『希望格差社会』が売れています。パラサイト・シングルという言葉を生み出した人です。 全体を通じて、本当に納得しながら読まされてしまいました。3年前の本ですが、状況は全く現在とかわっていません。 家族がセー... 2005.01.13 Book
Book あかね空 山本一力 この小説は平成14年度の直木賞受賞作です。 なんとなく手にし、そのまま読んでしまいました。ぼくにとっては初めての作家でした。冒頭から文章はしっかりしています。あっという間に読者を深川の長屋へ引きずり込む筆力は大したものです。 時代物にもさま... 2005.01.13 Book
Book サムライ米国企業を立て直す 鶴田国昭 倒産寸前の会社を最高の誉れある会社に再建した男の話です。最後まで一気に読んでしまいました。 コンチネンタル航空といえば、アメリカでも大変に人気のある会社です。しかしちょっと前までは遅延率の一番高い、手荷物のなくなりやすい、サービス最悪の会社... 2005.01.12 Book
Book テレビの嘘を見破る 今野勉 ドキュメンタリーとは何かというのは、大変に難しいテーマです。映像にはどこまで作り手の意思が反映されるものなのでしょうか。またその意図を伝えるために何が許されているのでしょうか。 筆者は長い間、テレビの制作現場にいて、さまざまな場面を見てきま... 2005.01.05 Book