青いバラ

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かつて最相葉月さんの著書『青いバラ』を読んだことがあります。今から何年前でしょうか。彼女はこのノンフィクションを書くために3年をかけたとか。どうしても青いバラの存在が気になって仕方がなかったそうです。

世の中に出回っている青いバラは、正確に言うと、藤紫色です。ちなみにカーネーションにも青はありません。実際、この品種を作り出すためにサントリーは30億円を使ったと聞いています。

青いバラの話はギリシャ神話にも出てきます。長い間、ずっと不可能の代名詞として使われてきました。ちなみに英語ではズバリありえないことを意味します。
彼女はどうしてもその秘密を知りたくて、バラの育種家では世界屈指の鈴木省三さんという人をアポなしで突然訪れます。品種改良の可能性を直接、鈴木さんに会って聞こうとしたのです。

なぜ青いバラが世界に存在しないのか。その理由は色の要素となる特殊な物質、アントシアニンがもともとバラの品種の中にないところから来ているようです。バラの遺伝子に酵素の発現命令がないということは、既に随分前からわかっていました。

しかしそのことより一番衝撃的だったのは、鈴木さんが最初に呟いた一言でした。
「もし青いバラができるとして、あなたはそれを美しいと思いますか?」
この問いかけの前に最相さんは何も言えなかったそうです。

この不思議な色の花はとても値段が高いのです。
機会があったら、一度お花屋さんで訊ねてみてください。

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