2004

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愉楽の園 宮本輝 文藝春秋 1989年3月

 同じ筆者の本を続けて読むのは久しぶりです。なんとなく手に取っていました。読後感は不思議な味わいといったらいいのでしょうか。 舞台はタイの首都バンコクです。今までタイを舞台にした本は、三島由紀夫の作品『暁の寺』だけしか読んでいません。 そう...
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無名 沢木耕太郎 幻冬舎 2003年9月

 前から読みたいと思っていた本でした。 今、読み終わって心の中があたたかいのを感じます。父と子の愛情というのはこういうものなのかなあとしみじみ考えました。特に男親と男の子の関係がみごとに描かれています。 筆者の文章はいつも的確で無駄がありま...
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ヴェネツィア私のシンデレラ物語 チェスキーナ洋子 草思社 2003年5月

 世の中にはこんなこともあるのだなあとしみじみ感じさせてくれる本でした。タイトルの通り、まさにシンデレラ物語です。芸大を出たばかりの女性が、ハープの勉強をしたいという一心で、イタリアへ留学します。 当時はまだイタリア政府の給費留学生になるく...
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フィレンツェの高校生 山下史路 新潮社 1994年1月

 著者の本は以前にも読んだことがあります。お子さんがふとしたことで、イタリアへの留学を決意した経緯などから書き出されています。 英語圏とは違って、留学援助団体なども少なく、とても苦労したようです。結局、息子さんと2年間、フィレンツェに住んで...
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破線のマリス 野沢尚 講談社 2000年5月

テレビ朝日のニュースステーションのイメージが随所にでてきます。著者は現役のシナリオライターです。この作品で第43回江戸川乱歩賞を受賞しました。 報道局のニュース番組で映像編集を担う女性が主人公です。以前に比べてニュースもスピードが要求されて...
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花の降る午後 宮本輝 角川書店 1988年4月

宮本輝はやはりストーリーテラーだなとしみじみ思います。ぼくが好きなのはなんといっても『泥の河』です。この作品の持つ哀しみは、ほかにはないものだと思います。 さて随分昔に書かれた作品を今回手にしたのも偶然のことでした。舞台は神戸。そこへ若い女...
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アフターダーク 村上春樹 講談社 2004年9月

たった一日の夜から明け方までに都会では何が起こっているのでしょうか。それを寓話的に描いたのがこの作品です。 幾つかの構成部分からできています。しかし眠り続ける姉のシナリオは理解できませんでした。 最新作のわりには、あまり彼の深さを感じられな...
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変容 伊藤整 岩波書店 1968年9月

大学時代、この作家を集中的に読んだ時期があります。小林秀雄と、伊藤整のゼミをとったからです。『発掘』『氾濫』『変容』は彼の後期を代表する三部作です。その他に『年々の花』という作品があります。 この作家のものはほぼ10年おきに読み返しています...
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源氏物語の世界 日向一雅 岩波書店 2004年3月

 この本は、源氏物語の入門書として最適な本です。岩波新書の中では秋山虔さんの本が長い間、親しまれていましたが、今後はこの本がその地位を占めるものと思われます。 筆者は今年教育実習で来た生徒の主任教官で、本当ならば研究授業の時、見えるはずでし...
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野中広務 差別と権力 魚住昭 講談社 2004年6月

 以前から読みたいと思っていた本です。朝日新聞の書評に取り上げられた時、これだと感じました。それは野中広務という政治家が部落民という偏見と差別の最も強い階級からのし上がってきた人だという事実を元にして書かれていたからです。 京都府船井郡園部...
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