どうやって噺を覚えるのか

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昔は三遍稽古といって、師匠が目の前で三回同じ噺をしてくれたのだそうです。
それを弟子は必死で覚え、四度目には演じてみせたとか。
勿論、テープレコーダーなんてありません。あっても許されなかった。
でも、そんなことができるのかなあ。
できるんでしょう。つまりそこまで命がけだったということです。

今はそんなことはない。
録音をしてもいいよと言ってくださる師匠も多い。
テープレコーダーの時代はとうに去り、ボイスレコーダーなんてのもあります。
映像をビデオに撮るなんて手もある。
それをiPODとかスマホなぞに入れて、見て覚える。
あるいはDVDをくれたりする。

しかしどんなに時代が便利になっても、やっぱり最後は自分の意思でおぼえなくちゃならない。
ここは同じです。
とにかくがむしゃらに頭から噛み砕いていく。
全部ノートに一度書き写してから覚えるタイプも多いようです。
そのまんま音楽を聴くように覚える人もいる。
どうも本で覚えるのはあんまり上策ではないようです。
これは脳ミソに噺ががっちりと食い込まないみたいですね。

さて一般論としては次の4パターンに分かれます。

すぐに覚えてすぐに忘れるタイプ
なかなか覚えなくて、すぐに忘れるタイプ
すぐに覚えて、なかなか忘れないタイプ
なかなか覚えられなくて、すぐには忘れないタイプ

どれが一番多いのか。
三遊亭円丈師匠の著書『ろんだいえん』によれば、4番目が理想なのだとか。
というか芸人には多いんだそうです。
あとは高座で何回やるかというところかな。

ぼくはちなみに大事なところだけ書きます。
あとは音楽を聴くみたいに何度も耳から覚えます。
ばかみたいに何度もね。あるとき、あんまり熱中しすぎて電車を乗り過ごしました。
必死で聞いていると、音から噺が入ってくる。間もわかります。だから覚えた師匠の噺に似ちゃう。これはまずいです。
これは要注意だな。

とにかく覚えたいという一心あるのみ。鬼の一念、岩をも通すだ。
それでも覚えにくいところが必ずあります。そこを潰していくのが難行苦行なのだよ。
プロだって毎日やってても、忘れたりするのです。
いわんやをや…。
肝に銘じておかなければならんね。

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