刑務所通いはやめられねぇ

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落語
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桂才賀といえば、こわい顔というイメージがあります。大きな声でガハハと笑う。
話は滅法面白い。落語なんだか講談なんだか、よくわかりません。
しかしあっという間に才賀ワールドに引き込まれてしまう。
不思議な噺家さんです。

この人は変わった経歴の持ち主です。九代目文治師に弟子入りを志願した時、3年自衛隊に行って我慢できたらとってやるというので、本当に海上自衛隊に入りました。
年期があけて、再度師の元を訪ねたら、文治師匠はすっかりそのことを忘れていたとか。

さてこの本は不思議なお話に満ちております。
少年院と刑務所を25年にわたって訪問し続けた記録です。
北は北海道旭川から、南は沖縄離島の刑務支所まで
それもノーギャラというのもすごい話です。交通費、宿泊費もノーギャラなのです。
よく演歌歌手などが慰問するという話も聞きますが、あれはちゃんとギャラが支払われるそうです。
なぜか。
入所している組の幹部や親分を慰めたいとする子分の粋な計らいなんだそうです。
そこへいくと、落語は全てただ。頭が下がります。
これは刑務所にとってもありがたい。

なかには入所者もいやがるつまらない慰問もあるそうです。
その中で、鍛えた話芸が冴えます。
なにより、警務官が喜ぶ。
ストレスの塊ですからね。なめられたらやっていけない仕事です。
緊張状態をずっと強いられるのです。
才賀師は歌武蔵師匠とよく組んでいくそうです。
中身は寸劇だったり、下ネタだったり。
ちょっと娑婆ではできないネタがたくさん入っているようです。
その幾つかを紹介してくれています。
楽しい話ばっかりです。

刑務所でしか通用しない専門用語をちょっと入れるだけで、親しみがぐっと増すそうです。
また泣かせもする。
ぜひご一読を。
笑いの持つ本当の強さと醍醐味はここにあるのかもしれません。

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