季刊落語第30号特大号

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押し入れの掃除をしていたら、この本が一冊だけ飛び出てきました。
1990年版、東西全落語家名鑑としてあります。
実に今から23年も前の本です。
出版社は弘文出版。
落語関係の本をたくさん出している本屋さんです。
1500円もしました。
当時としてはかなり高い雑誌です。
おそらく編集に手間取ったのでしょう。

タイトルをみて驚くのは、この年に志の輔や鯉昇が真打になっていることです。
月日がたつのははやいものです。本当に。

面白いのは東西の落語家二つ目以上を全て網羅しているという点です。
おそらく、その記事を目当てに買ったものと思われます。

先刻、何人が載っているのか数えてみました。
落語協会154人、落語芸術協会80人、円楽党25人、立川流17人、上方が133人です。
合計で409人。
前座を入れても現在の半分といったところでしょうか。

その顔ぶれをみていると、ここしばらくの間に亡くなった人が多いです。
小さんを筆頭に、小せん、志ん朝、柳朝、円菊、円弥、文朝、志ん馬、助六、文治、柳昇、夢楽、円楽、談志…。
あげていたらキリがありません。

演芸評論家各氏が、次の時代は誰が落語界をしょってたつのかという予想までしています。
高田文夫は志の輔と昇太を…。志ん朝への熱い思いを述べた人達も多いです。
大友浩は談志の「粗忽長屋」をめぐって、現代の落語の危機的状況を救うためには、彼のようなドラスティックな解釈も必要だと肯定しています。
つまり、今から20年以上も前、落語はかなり危ういところにいたのです。
真打といっても、それは仲間内の話であって、マスコミの世界に打って出るだけの技倆がなければ、相手にもされないという状況は今と何もかわりません。

玄人受けする雲助がいいと語った田中小実昌も今や、泉下の人です。
時の流れだけをただ感じます。

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