そこでだ、若旦那

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落語
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立川談四楼。
いったいこの人は何冊本を書いているのか。立川流の中でも群を抜いてます。今まで読んだのを少しだけ思い出してみました。それほど多くはありません。元々、立川談志という落語家に対するアレルギー症状が強いからかな。その弟子というバイアスがかかっていたから、興味を示さなかったに違いないのです。

『シャレのち曇り』『どうせ曲った人生さ』『師匠!』『記憶する力忘れない力』『一流の人はなぜ落語を聞くのか』 といったところでしょうか。
『シャレのち曇り』が一番最初の本だったような記憶が残ってます。わかりやすい文章を書く人だと思いました。随分売れたと聞いています。

今回の本はヘビィメタ雑誌に連載したものを加筆訂正したところが、ミソかもしれません。今や演芸評論家となった広瀬和生が編集していることに意味があるのかも…。
内容は鬼籍に入った落語家への惜別です。実に多くの有名、無名な噺家の逸話が載っています。知らない人もいました。
あとは立川流の後輩たちが二つ目になり、真打になっていくまでの話。ここには先輩噺家としての彼の視線が生きてます。

さらには破門された快楽亭ブラックのとんでもない悪行ぶり。彼の弟子である前座を誰が引き取るのか。談志へのオマージュ、師匠亡き後の立川流のあり方。簡単にいってしまえば、二つ目、真打昇進の基準をどこにおけばいいのか。今まで全て一人のカリスマに委ねていた判断を、彼らがしなければならなくなったことへのとまどいとでも言えばいいのか。

もう一つの山は権太楼を殴って落語協会をやめた三太楼をひきとった落語芸術協会の話です。
誰が首に鈴をつけて、歌丸会長に話をもっていったのか。その後の落語界は。師匠権太楼の生き様は。というのも権太楼と談四楼は入門が同期です。二人の関係はあまり良好とはいえないようですが。

遊雀誕生後の両協会の様子はどうか。噺家たちの反応は。ここいらはその世界にどっぷりと浸っていなければ書けないことばかりでしょう。この問題に関しては、少し筆を緩めているような感想を持ちました。実際はもっと言いたいことがあったのではないかな。

他にも小朝と海老名家の関係や、圓楽、痴楽、右朝、小さんなどの話がたくさん語られています。現在も続いている彼のツィッターとあわせて読むと、なお面白いのではないでしょうか。

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