Book 介子推 宮城谷昌光 講談社 2005年3月 大作『重耳』を読んだのはもう数年前のことです。重耳はいくつもの国を流浪し、春秋五覇の一人、斉の桓公のもとに身を寄せます。その後、半ば臣下の意志で、斉の国を出奔。ついに晋に戻るのです。最後の最後まで、旅を続けた重耳の生涯を描いた作品の中に、こ... 2008.12.03 Book
Book 内儀さんだけはしくじるな 古今亭八朝編 文藝春秋 2008年7月 噺家の世界は実に面白いものです。失敗談や滑稽談にも事欠きません。しかしこれほど上下関係の厳しい社会もまたないのです。内弟子制度というものがあり、師匠の家に寄宿しながら、家事全般を全て行わなければならないという修行時代もあります。現在では住... 2008.11.29 Book
Book 荒野へ ジョン・クラカワー 集英社 2007年3月 この本はひょんなことから勧められて、読むことになりました。最初は妙な若者がいたんだなあと、半ばあきれて読み始めましたが、次第に引き込まれていきました。映画化もされているので、見た人がいるかもしれません。ヒッチハイクで単身アラスカまで入り、... 2008.10.09 Book
Book 幸福論 吉本隆明 青春出版社 2001年3月 随分以前に出版された本です。この本を読んだのは、二度目です。以前より、さらに胸に落ちる気がしました。人間はどうしたら幸福になれるのかというのは永遠のテーマかもしれません。しかしその方法を誰も知らないのです。吉本隆明はその難しい問題に、真正... 2008.10.02 Book
Book 仕事道楽 鈴木敏夫 岩波書店 2008年7月 スタジオジブリといえば、今や知らない人は誰もいません。『崖の上のポニョ』はものすごい観客動員数だと聞いています。それくらい有名な会社です。しかし徳間書店から独立する時は、やはり一騒動あったそうです。宮崎駿さんと二人三脚で今の仕事を始めた頃... 2008.09.19 Book
Book ガール 奥田英朗 この作者は実にいいセンスをしています。特に女性の内側を描くのが上手です。『マドンナ』という作品が男性の側からのものだとしたら、これはまぎれもなく、女性の心を女性の目で見たらどうなるのかという話です。30代になった総合職のキャリアガールたち... 2008.08.29 Book
Book 秘花 瀬戸内寂聴 筆者が4年の歳月をかけて、書き上げたという小説を久しぶりに読みました。世阿弥が佐渡に流されてからの生活が主題です。世阿弥については『華の碑文』という杉本苑子さんの作品がかなり以前に出ています。あの小説を読んだ時は男色という、この時代の風習... 2008.08.20 Book
Book 日本の10大新宗教 島田裕巳 二度読み直しました。今まで知らなかった新宗教の横側を自分なりに再検証したというのが今の実感です。かつては新興宗教とも呼ばれましたが、今は新宗教という呼称のほうが定着しているとか。ここに収録された新宗教は、現在の日本に深く根をはっています。... 2008.08.05 Book
Book フェルマーの最終定理 サイモン・シン 新潮文庫の百冊という冊子をみていたら、その中にかなり毛色のかわった本がありました。それがこれです。フェルマーの定理は300年以上にわたり、数学者を悩ませ続けた難問中の難問といってもいいでしょう。それを一人で本当に子供の頃から考え続け、つい... 2008.07.19 Book
Book ルポ貧困大国アメリカ 堤未果 今年の1月に出たばかりの本ですが、もうかなりの増刷を重ねています。それだけ出色の内容と言えるのではないでしょうか。かなり独自の取材をしているのがわかります。アメリカという国の現在を知るには恰好の情報源だろうと思います。この本を読んでいて一番... 2008.05.29 Book
Book アメリカよ、美しく年をとれ 猿谷要 アメリカはあの9.11事件以来、大きく変貌を遂げました。それまで見せていた若い魅力ある国家の側面から、一気に帝国と呼んでも差し支えのない軍事大国の横顔を強調しはじめたのです。クリントンから、レーガン、ブッシュの時代に入り、軍事費は増強される... 2008.05.24 Book
Book 未来への記憶 河合隼雄 岩波書店 2001年1月 以前に一度読んだことがあります。しかしここのところ、少し心理学的なものを読みたいと思うところがありまして、ユングを積極的に紹介し、箱庭療法を日本に広めた河合さんの本を読みなおすことにしました。自伝ですから、最初の方はほとんど出生にまつわる... 2008.05.01 Book