2009

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この世で一番大事な「カネ」の話 西原理恵子 理論社 2009年1月

今まで読んだ「よりみちパンセ」シリーズの中で一番面白い本でした。このシリーズは若者向きに書かれているユニークな企画のものばかりです。いわば本音トーク全開の著作群といえるでしょう。 その中でもこの本はとくにお金にまつわる本音がこれでもかという...
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新参者 東野圭吾 講談社 2009年10月

人気作家の最新作です。オムニバス小説といったらいいのでしょうか。殺人事件にからむ周辺の人々のアリバイを調べながら、実はそこにあたりまえの日常があることを垣間見せてくれます。 文章はなかなか味わいがあります。 主人公は着任したばかりの刑事・加...
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半島へふたたび 蓮池薫 新潮社 2009年9月

初版は今年の6月です。ぼくが手にしたのは14刷。随分売れているようです。北朝鮮に拉致され24年間の間、祖国に帰ることを夢見てはすぐに諦める日々の連続だったようです。そのことが痛いくらいに感じられる文章でした。 韓国を訪問した時の様子が第一部...
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まわりまわって古今亭志ん朝 志ん朝の仲間 文藝春秋 2007年6月

とにかく志ん朝を悪く言う人はいないのです。志ん生の息子として生まれ、本当は噺家になる予定のなかった彼が、いつの間にか落語の第一人者になっていました。 まず第一に口跡がいいのです。そして江戸っ子の言葉遣いができます。さらには幼い頃から芸人の世...
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夏目漱石を読む 吉本隆明 筑摩書房 2002年11月

吉本が夏目漱石をどう読んだのかということに、大変興味を持ちました。これはよみうりホールと紀伊国屋での講演をもとにまとめた本です。ほぼ全作品について、吉本の理解を書いています。 一言でいえば、これだけの作家はそうそういないということでしょう。...
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世界は分けてもわからない 福岡伸一 講談社 2009年7月

面白い本です。分子生物学というぼくには全く縁のない世界を目の前に広げてくれました。ことに前作『生物と無生物のあいだ』と2冊をセットにして読むといいと思います。 前の本では、DNAのらせん構造を解析したワトソンとクリックの話が中心でした。生命...
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新宗教ビジネス 島田裕巳 講談社 2008年10月

昨年読んだ本の続編です。というより、今最も人々に支持されているといわれる新宗教教団の財務関係を追った本です。これらの団体がどうやってビジネスモデルを確立したのか、あるいは体系化しようとしてきたのかというユニークな視点から書かれたものです。 ...
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断腸亭日乗を読む 新藤兼人 岩波書店 2009年5月

岩波現代文庫にはユニークな本がたくさんあります。絶版になってしまって他ではなかなか手に入らないものなどを探すのに好適といえるでしょう。その中に永井荷風の関係の本が数冊あります。川本三郎や、菅野昭正のものなどです。 しかしなんといってもこの著...
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流れる 幸田文 新潮社 1993年5月

文章のうまさに目を見張りました。ここまで観察眼が鋭いと、生きていくのが苦しかったのではないでしょうか。思わずそう感じました。父幸田露伴に家事全般をしつけられた様子は、彼女の随筆のあちこちで読み取ることができます。 それらの全てが結晶した小説...
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漱石の思い出 夏目鏡子 文藝春秋 2005年4月

つい手にとって読み始めました。何度目でしょう。いつの間にか引き込まれてしまいます。それだけ多くの魅力に富んだ作品といえるのではないでしょうか。 ここには明らかに市井人にして、鏡子の夫だった夏目金之助がいます。それ以外の人物は出てきません。 ...
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作曲家・竹満徹との日々を語る 竹満浅香 小学館 2006年3月

竹満徹全集の別巻として上梓されたインタビュー集です。彼にとって最良の理解者であった伴侶竹満浅香さんの目を通した作曲家の素顔が実にいきいきと描かれています。 20時間以上に及ぶ話の中で、ことに作曲家竹満の意外に普通な側面が淡々と語られます。 ...
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文士の魂 車谷長吉 新潮社 2001年11月

筆者については以前、ノートの中に書いたことがあります。とにかく不思議な人です。 さて彼がなぜ文学の魔力にとらわれてしまったのか。その秘密がいくつもここには示してあります。というか、文学以外にもうすがるところがなかったというのが本当のところで...
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