喜多八殿下逝く

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大好きだった柳家喜多八師匠が66歳で亡くなりました。
今年に入ってから、高座にはあまり多く出ていなかったようです。
最後に見たのはたぶんBS11で放送した喬太郎師の番組だったかもしれません。

去年あたりから、げっそりと痩せて目のまわりに隈ができていました。
お酒の飲み過ぎだろうと勝手に想像はしていました。
白酒師がまだ学生の頃から、高田の馬場の飲み屋で毎日酩酊していたそうです。
夜、酒を飲まないと手持ちぶさたで仕方がないとよく言ってました。

師匠のまくらが好きでした。
やる気はあるんだけど、力が入らない。虚弱体質なんだ。芸人なんだから、もっと愛想よくしなくちゃいけないことぐらいわかってる。でも……、というあの決まり文句が好きでした。
それでいて噺に入ると、次第に熱を帯びてきて、彼独特の世界に引きずり込んでくれました。
その力業はすごいものだった。

訃報が届いた昨日の夜、寝ながら喜多八師匠の落語を聞きました。
「鈴ヶ森」です。
新米の泥棒がなんともいい味わいで、聞き惚れました。
もうこの噺家の落語が聞けないと思うと、残念です。

小三治師匠が彼を弟子にとる時、父親の職業を聞き、教師だと答えると、それならとらないわけにはいかないなと呟いたという話は有名です。
「たけのこ」を一番最初に聞きました。
すぐに覚えようと、何度も何度も繰り返したことが、今は懐かしいです。

師匠より先に死んだのでは、恩返しができません。
柳之宮喜多八殿下のご冥福を祈るばかりです。
それにしても寂しいな。

合掌

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